鍵のトラブルに見舞われた際、誰もが「早く解決したい」という一心で業者を呼びますが、そこに付け込む悪質な業者が存在することも事実です。インターネット上の広告で「最安数百円から」という極端に低い価格を提示している場合、そこには必ず裏があると疑うべきです。実際に現場に来てから「この鍵は特殊だから通常の方法では開かない」「破壊して交換するしかない」と言い出し、最終的に数十万円もの請求を突きつける手口が報告されています。このような被害を防ぐためには、依頼前の段階でいくつかの防衛策を講じる必要があります。 まず、電話で問い合わせた際に、具体的な作業内容と料金の総額を執拗なまでに確認することです。出張費、作業費、部品代、夜間料金など、すべてを含めた「支払い総額」の上限を聞き出してください。もし「見てみないと分からない」の一点張りで具体的な金額を一切言おうとしない業者は、避けたほうが賢明です。また、作業を開始する前に必ず見積書を紙やデジタルで作成してもらい、署名をする前に内容を精査してください。不明な項目があればその場で質問し、納得がいかない場合は作業を断る勇気を持つことも必要です。たとえ出張費が発生したとしても、不当な高額請求を支払うよりは遥かに軽微な損失で済みます。 また、鍵を壊して開けるという提案には慎重になるべきです。最新の防犯鍵であっても、熟練の技術者であれば破壊せずに解錠できるケースは多々あります。破壊解錠は、その後の鍵交換代も加算されるため、業者にとっては利益が大きくなる手法です。本当に破壊が必要なのか、他の方法はないのかを問い質し、納得のいく説明が得られない場合は、セカンドオピニオンとして別の業者に電話してみるのも一つの手です。優良な業者は、顧客の資産を守ることを第一に考え、破壊はあくまで最終手段として位置づけています。 日頃からの備えも、悪質業者を寄せ付けないための大きな力になります。自宅の鍵のメーカー名や型番を控えておくことで、電話での説明がスムーズになり、正確な見積もりを出しやすくなります。また、信頼できる地元の鍵屋さんの番号をあらかじめ調べておき、緊急連絡先として登録しておくことも有効です。パニック状態になると冷静な判断ができなくなりますが、事前の準備があれば、怪しい業者を見抜くアンテナが働きます。自分の身を守るのは自分自身であるという意識を持ち、専門技術への対価を正当に支払いつつ、不当な搾取を許さない毅然とした態度が求められています。
高額請求を避けるための防犯対策術