リモートキーの反応が悪くなってきたと感じたら、それは内蔵されているボタン電池の寿命が近づいているサインです。わざわざディーラーに足を運んで、工賃を支払わなくても、この電池交換は、多くの場合、自分で簡単に行うことができます。数百円の電池代と、ほんの少しの手間だけで、愛車のキーを元気に蘇らせる、その手順と注意点を解説します。まず、準備するものは三つだけ。「新しいボタン電池」、「精密ドライバー(マイナス)」、そしてキー本体を傷つけないための「柔らかい布」です。最も重要なのが、正しい型番のボタン電池を用意することです。リモートキーによって使用されている電池の種類(CR1616, CR2032など)は異なります。キーの取扱説明書を確認するか、あるいは実際にキーを分解して、中に入っている電池の型番を確認するのが最も確実です。次に、交換作業に入ります。キー本体をよく見ると、ケースを二つに分割するための、小さな窪みや隙間があるはずです。そこに、布で先端を保護した精密ドライバーを差し込み、てこの原理で、慎重に、そして優しくこじ開けます。無理な力を加えると、ケースの爪が折れて、元通りに閉じなくなってしまうことがあるので、焦りは禁物です。ケースが無事に二つに分かれたら、中の古い電池を取り出し、新しい電池をセットします。この時、最も注意すべきなのが「プラスとマイナスの向き」です。間違うと、キーは全く作動しません。古い電池がどちらの向きで入っていたかをよく覚えておくか、キーの内部基盤に刻印されている「+」や「-」の表示を確認しましょう。また、電池の表面に、絶縁のための透明な保護フィルムが貼られていることがあるので、それも忘れずに剥がします。あとは、ケースを元の通りに、カチッと音がするまではめ込めば、作業は完了です。最後に、車が正常にキーを認識するか、ロックとアンロックのボタンが、きちんと機能するかを確認してください。たったこれだけの作業で、あなたはディーラーに支払うはずだった工賃を節約し、自分の車への愛着を、さらに深めることができるのです。
リモートキーの電池交換は自分でできる